おもととは....
園芸植物としては、江戸時代に盛んになり、
その後明治時代中頃に新品種の発見の作出が行われ、
現代のおもと趣味の基礎が形づけられました。
大正から昭和にかけては千代田系、羅紗系の名品が
多く生み出され大葉系、薄葉系、羅紗系などの
多彩な葉芸を楽しむ事が出来るようになりました。
〜おもと【Rohdea Japonica】〜
スズラン科の多年草植物で、その原種は九州から山陰地方の低山地に自生しています。原種は葉の長さが30cmを越す大型で、生け花の素材になるグリーン一色のものが多いですが、園芸種として栽培されているものは、それから変化して斑や縞が現れたり、交配により多種多様な葉芸を現した姿になり、鑑賞価値が高められたものです。おもとは日本の風土の中で育てられ楽しまれてきたもので、性質は寒さに強く丈夫です。
《大葉おもと》
葉の長さがおよそ25cm以上になるもので、美しく雄大なイメージがあります。
覆輪、縞、虎斑、図斑など様々に変化した斑模様を鑑賞して楽しみます。最近では丈夫な品種を庭植え(ガーデニング)として楽しむ人も多いようです。
五大州 家宝都の図 大雪山
基本的に大葉は柄を楽しむのがほとんどかと思います。
趣味者の楽しみ方としては、曙柄、縞柄、虎柄などに関しては綺麗に柄を出せるか
ですが大葉好きの趣味者を虜にしているのは図柄です。
図柄には性があり性によって柄の量や質(どれだけ白く抜けているかなど)
が全く変わって来ます。その良し悪しによって値段が上下します。
そして毎年全く違う表情の図を出しその作場に慣れて来て
勢いを出し始めた時の図の質は格別です。
《薄葉おもと》
葉の長さがおよそ15cm〜25cmになるもので、一文字、縞甲竜、千代田斑、獅子、胡摩斑など多くの系統が含まれ、個性豊かでバラエティに富んでいます。葉芸と葉姿の調和が美しく、優雅で変化に富んだ品種が揃っています。
千代田の松 | 四君子 | 金剛丸 |
《羅紗おもと》
葉の長さがおよそ3cm〜15cmになるもので、多肉植物のように肉厚で、広葉、細葉、丸葉、剣葉などの葉型や、雅糸竜、甲竜、のし竜、玉竜などの葉芸を鑑賞して楽しみます。特に苗の葉(無芸)が2年、3年と成長するにつれて葉肉を増し変化の魅力は、他の植物に類を見ない羅紗おもと特有のものです。
麒堂 | 天元 | 吉祥 |
羅紗オモトの見方、楽しみ方が一番分かりにくいと思います。
まずよくオモトの売店などを見て皆様が口を揃えて言うことは、
なぜ同じ青い葉なのにこんなに値段が違うのか? だと思います。
芸をするオモト(芸とは葉に入るシカミ黄色や白くなっている部分)
は基本的に3才から芸を出し始めます、そして年をとり親になっていくにつれて
芸が強くなり葉全体が真っ黄色や真っ白になり個性を出してきます。
その親木の値段に応じて同じ種類の青い子供の葉の状態の値段が決まります。
先ほど年をとるにつれ芸を増していくと言いました、
3才の芸を出し始めた時点ではまだ葉の真ん中などに少し線が入るような程度です。
最終的にはその芸が葉全体にきたり激しい芸、力強い芸を出していくのが目標です。
次に大会などで評価される作品、美術木などと言われる木はどのような木か。
そのような木は、まず葉が左右整っている、
葉が何枚ついているかなど様々な点で見ていくのですが、
基本オモトの葉は3年葉持つのが普通と言われています。ですので
左右合わせると全ての葉で大体6枚。そして4年葉持たせると名人ですね。
そして一番肝心な芸ですが、先ほど3〜4年葉が持つと言いましたが
と言うことはまだ若い4才や5才の木ですと若い頃の
真っ青な赤ちゃん葉がついている状態になります。画像で見るとこのような感じ。
このような状態だと展示会にはまだ一歩届かずといった感じです。
ここからあと数年、年を重ねていくと新しくでる葉はより芸を増した葉が出ていき
古い芸が若い葉は落ちていきます。そうなっていくと全ての葉が真っ黄色、真っ白な葉で
構成された一本が出来上がりそれこそが美術木と言われ評価されます。
画像で見るとこのような感じ。
下の葉まで芸が入っていてとても綺麗です。
このような感じで羅紗オモトは見ていきます。
とても長くなりましたがそれ程奥が深い植物です。
ここから色々な種類の芸があったりそこに柄が混ざったりと様々です。
興味が出た方は是非お気軽になんでも質問してください。