万年青が分かるミニブック
万年青の歴史
オモトの歴史オモトが園芸植物として
取り上げられるようになったのは室町時代の後期からだ
だと言われています。その後江戸時代以降、オモトという趣味が盛り上がりました。
徳川家康が江戸城に入城する際、3鉢のオモトが献上され、
その後徳川家が長期に渡って栄えていったことから
「引越しオモト」という習慣が生まれました。
また、二代将軍秀忠が諸国の名花を集めたことにより、
あらゆる園芸が盛り上がっていきました。
そうした中で、オモトは裕福な町人や豪農を中心に
爆発的な人気が出て、幕府がその高額ゆえ、
取引を禁止する事態にまでなりました。
以来、古典園芸の王者として愛好され続けました。
栽培環境(置き場)
日がある程度当たり(西日は不可)、適当な通風がある場所。
冬は風に当たらず、凍らせない所。理想は温室ですが、
無くても春から秋にかけて外に出して、
ダイオネット等で日の当たり具合を調節し、
冬は暖房の無い室内に置くか、フレーム等を作って入れます。
鉢について
鉢は三本足の京楽鉢が伝統的ですが、
やや高価なためオモト鉢型のプラスチック鉢を使う人が増えました。
駄温鉢など何でも良いですが、揃えた方が見栄えも良く、
水やりの間隔も管理がしやすいです。用士は軽石、日向士が良いでしょう。
赤玉士は昔、あまり良くないと言われていましたが、
大葉オモトに硬質の赤玉士を使うのは、良い成績が出ています。
植え込んだ後は、表面に十分水に戻した、水苔を載せます。
(春光園では20~30日ほど水に浸します)
肥料について
オモトには完全発光の油粕の固形を与えます。
それは土で植えないので微生物による分解がなされず、
根焼けを起こしたりするからです。また油粕が良いのは、
オモトは一年生の草花のように成長が早くなく、
化学肥料では効きすぎるため、地下の部分(芋)を腐らせてしまうからです。
市販されている肥料で構わないので、
【発酵】を確認してから購入してください。
肥料を与える時期は、4月から梅雨が明けるまでです。
暑い夏の時期に肥料をあげると芋が消化不良を起こし、
腐ってしまいます。ですが、
春にあげた肥料はのせて置いたままでも構いません。肥料の大きさは
大葉=大、薄葉=中、羅紗=小の大きさで、
1回2粒ずつ20日に1回、期間中は与えます。
殺菌消毒の薬品について
- 赤星病..葉に大きな赤茶色(黒に近い)の丸い病斑が現れる。
(オーサイド水和剤、ダイセン水和剤、サプロールなど)
- 青にえ病..真夏に一晩で熱湯をかけたように枯れる。
(ベンレート水和剤)
- スリップス...ナメ虫ともいい、体長2ミリほどで、新芽の表面から養分をすい、その痕跡は葉が伸びてからよく目立つ。
(アドマイヤー乳剤、マラソン乳剤、オルトラン水和)
- カイガラムシ..葉の表面の四部に入り込み養分を吸う。殻が硬く
薬剤が効きにくい。
(スプラサイド乳剤、カルホス乳剤など)
以上です。3月~10月まで定期的に散布し、
害に遭わないようにしてください。倍率は1000倍で散布)